----------------
大学生になって、一人暮らしを始めたんですね。
知らない街で家を探すのって、ほんと大変ですね。
不動産屋に連れられて、一日中あちこち見て回って。
夕方になってしまったので、エイヤって決めたのが当時住んでいた部屋です。
新築だったのですごくきれいだったんですけど、家賃が手ごろだったのにはワケがありました。
しばらく住んでから気付いたんですけどね。
壁が薄いんです。
隣の部屋のテレビの音とか、聞こえちゃうんですね。
同じ番組とか見てたら妙に音が大きくなっちゃうんですよね。
田舎から出てきたばかりの大学生なんて暇ですから。
結構家にいることが多いんですよね。
隣に部屋に住んでたのは、ガリガリで、腰まである髪を後ろで束ねてる、なんかヒッピーみたいなお兄ちゃんでした。
挨拶しても返事しない。
なんかうっとうしいやつでしたねー。
それで日々が過ぎて行ったんですが、ある時隣に女が来るようになったんです。
声で分かるんです。
話し声がして、片一方の声が女のものでした。
ただ、何を話してるかまでは聞こえないんですけどね。その、微妙な声の大きさで彼らは話してましたね。
姿を見たくて、時々ドアの覗き窓から覗いたりしてたんですけどうまくチャンスがつかめない。
ある晩ですね、また女がやってきたんです。
僕も、その、あれです、たまってたんですよね。
女が薄い壁の向こうにいるってだけで勃ってきちゃったんですよね。
姿が見えないから、仕方ないから声を聞きながらオナニーすることにしたんですよ。
下半身脱いで、ティッシュ用意して。
壁に耳をぴったりくっつけてレディーゴー!ってワケです。
最初彼らはテレビ見ながらご飯を食べてたようです。
テレビの微かな音と、カチャカチャ食器の音がしてましたからね。
やがて話し声がして、その声がじわじわしずかになっていったんです。
チャンスです。
僕は自分の股間をさすりながら『その時』に合わせて体勢を整えていきます。
話し声がはっきり聞こえないのでちょっとイライラしながら何とか聞けないものかと精神集中しました。
そんな時は、自分の鼓動の音さえ邪魔です。
ゆっくり息を吐きました。
そうした努力の甲斐あって、だんだん声が聞こえてきたんですよね。
そうしたら・・・
どうやら喧嘩始めたようなんです。
だんだん声が聞こえるようになったんじゃなくて、彼らの声がだんだん大きくなってたんですよね。
こっちの気も知らないで、ドシンバタンって音がして女は出ていっちゃったみたいで。
後に残された僕は、静にズボンを履きました。
----------------
[管理人コメント]
近所のレンタルビデオの会員になったのは、その晩です。
