職安(ハローワーク)からの帰り、駐車場へと続く扉を開けるとひとりのコが話し掛けてきた。
「あの〜、すいません・・・」
ん?なんかの勧誘か?敷地内での勧誘は禁止されてるぞ。
勧誘だったらウザイので「はぁん?」と眉間にシワを寄せ寄せ返事した。
「すいませんけど〜ここに行くには〜どうやって〜行ったらいいんですか〜?」
なーんだ。勧誘じゃないのか。
喫茶店で一日を過ごしても月80万くらいくれて、完全週休3日制ないしは4日制で、ボーナス20ヵ月分出て、永久就職できて、退職金を山のように出してくれるような仕事を斡旋してくれるのかと期待したのに。
それにしても顔も身なりもキレイだけどバカっぽい話し方をするコだ。
なんやら地図を見せてきて、道を尋ねてきた。
見るとココからすぐ近く。
「えっとここ出てまっすぐ行った1本目の信号を右折したら左車線にはいっといて2本目の信号越えたすぐのわき道を左に入って・・・ってわかる?」
あー、人に道教えるのって難しい。
「あの〜。ここから歩いて行くんですよ〜」
わおう!先に言えよ!
「だったらここ出たら左に行って、突き当たったらまた左に行くと大きな通りに出るからそこ横断して右に道なりに行ってまた大きな交差点があるから渡った左手に・・・って、
送っていこか?」
その土地を知らない人に道を教えるのがものすごく難しいのと、今日はもう予定がなくヒマなので送ってってあげることにした。
「い〜んですか〜!?ありがと〜うございます〜!!!」
嫁ちゃん以外のコを助手席に乗せるのも久しぶりだ!
聞くと今から行く場所は面接をしに行くんだと。
だからキレイな身なりをしてるのね。
「あ〜、緊張しまくりです〜」
「口がパサパサです〜」
あー、緊張からくるバカっぽい話し方だったのね。
なんだかかわゆいじゃん!
でもあまりにも緊張してるもんだからちょっとしたユーモアなどでリラックスさせてあげたよ。
オレ、ユーモアの才能あるもんだからさ。ユーモアの。ユーモア。
そうこうして現地に着いたので降りる時さらにハッパをかけてあげた。
「面接がんばってね!ファイト♪」
「はい!ほんとうにありがとうございましたー!がんばります!」
お!会った時と違っていい顔してる!
きっと面接うまくいくね!
こっちも送った甲斐があったってもんだ!
がんばれよー!
「失礼しまーす!」
と面接する会社に入っていった彼の背中は頼もしかった。
受かってるといいね!

もうちょっと近かったら申し分ないだけどなあ
って言ってるから就職できないヤツ
働いてる人ってすごいよなあ
うちの会社まもなく一つ席が空きます。